③天武天皇迹太川御遥拝所跡

『日本書紀』天武天皇元年(672)6月条に、大海人皇子(おおあまのみこ・後の天武天皇)が東国へ向かうときに、伊勢国朝明郡(あさけぐん)(三重県三重郡の一部)の迹太川(とおがわ)の辺りで天照大神(あまてらすおおみかみ)を望拝したとあります。
壬申の乱で活躍し、その後の持統(じとう)朝で太政大臣を務めた高市皇子(たけちのみこ)が薨去され、殯宮(もがりのみや)(天皇などの貴人の喪葬儀礼の期間、柩を仮安置した建物)にあるとき、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が挽歌で、「……度会(わたらひ)の斎宮(いつきのみや)ゆ神風にい吹き惑はし……」(万葉集巻2-199)と、伊勢神宮(度会の斎宮)から神風をふかせて、敵(近江朝廷軍)を惑わしたと詠んでいます。

写真提供:四日市市教育委員会

インフォメーション・交通アクセス

天武天皇迹太川御遥拝所(とおがわごようはいじょ)跡
【住所】三重県四日市市大矢知町1714
【TEL】四日市市役所教育委員会事務局社会教育・文化財課 059-354-8238
【交通】三岐鉄道三岐線大矢知駅から徒歩約20分